こんにちは。
このブログを書いております株式会社T O M O N A R Iの友成冨美です。
8年前に株式会社TOMONARIを立ち上げました。
アクリル枡mas/mas(マスマス)の販売、製造業の株式会社友成工芸の側面からのバックアップ、カンボジアの国立職業訓練学校に機械を設置して日本の機械彫刻技術を教えています。
皆様が、弊社の取り扱う商品等、行っている事に興味を持っていただき、さらにはブログを読んでいただいた方の何かお役立てたら幸いです。
2019年度中小企業振興公社の販路拡大助成事業の採択を受けて展示会に出展した際の経験についてお伝えします。前回のブログの続きです。
Contents
2-1 販路拡大助成事業の対象者には条件があります。
補助金には、必ず対象者の条件があります。都内中小企業事業者であり、下記①〜③のどれかに当てはまる企業が対象となります。
①直近決算期の売上高が、前期と比較して減少していること
②直近決算期で損失を計上していること
③中小企業活力向上プロジェクトネクストの「アシストコース」の支援により、令和2年度又は3年度に事業計画書を策定し、
修了の証明を受けていること
弊社は2019年の12月に中小企業振興公社に今後利用でくるサービスはないか、相談に行ったところ、
上記 ②の直近の決算で損金を計上していたため、販路拡大助成事業を勧められ、この補助金にチャレンジしました。
株式会社T O M O N A R Iは2013 年経産省の「創業補助金」を受けて創業しましたが、東京都の補助金は初めてのチャレンジとなりました。
2-2 販路拡大助助成事業の申請までの流れと必要書類
① この補助金を受けるに当たり、添付が義務付けられている書類
「中小企業活力向上プロジェクトネクスト経営診断」よる「診断報告書」があります。この書類を制作するためには、近隣の商工会議所に連絡し、中小企業診断士より経営診断を受け、中小企業診断士の方が制作した書類「診断報告書」を添付する必要があります。
この様な無料の診断があるのは初めて知りました。対象者の条件の③のアシストコースを受ける事業計画の方法を学び
最終的には中小企業診断士による「診断報告書」を受けて終了になる様です。
この「診断報告書」に出てくる項目について学び、それから診断を受けるというのは、自社を客観的に捉える事ができる
大変良い機会になると思いました。
「中小企業活力向上プロジェクトネクスト経営診断」 https://www.keieiryoku.jp/about/
診断報告書:企業のチェックシートのご回答とヒアリング内容をもとに、中小企業診断士が課題解決のための
アドバイスをまとめたものです。経営指導員を通じて、企業へフィードバックされます。
<弊社が受け取った中小企業診断士さんからの診断報告書の内容をお伝えします。>
弊社の現状把握をSWOTで表し、下記の視点で現状と課題を提案してくれています。
1)経営・経営者 2)マーケティング 3)組織・人材 4)運営管理 5) 財務管理 6)危機管理・社会環境・知財管理
弊社の重点項目として、生産性の向上と人材確保・販路拡大の課題をあげ、改善に向けた提案をしていただきました。
その上で弊社に必要と思われる中小企業施策の提案をされました。それが販路拡大助成事業で展示会の出展するでした。
また今後の事業策定を経営革新計画で行う事が進められました。
こちらの診断により、マクロ的には時期も入れ込んだ目標を設定、ミクロ的には経理ソフト等の具体的なアドバイスをいただけ
とても参考になりました。下記を自社の書類から抜粋いたしました。
参考資料: 4) 運営管理
現状:代表者は以前に会計事務所での勤務経験もあり、財務状況を把握、分析できるが、依頼している税理士は決算処理を行うのみでデータの分析を行うには一手間かかっている。
課題:月々の会計処理から素早く試算表を作成し、経営分析がおこなえるようにするなど、税理士に頼らずに経営管理を行える状況を構築する。
これに対して弊社が行った事は、税理士さんを変え、クラウド経理ソフトのMoney Forward に移行しました。
それにより現在は翌月の末には前月の経営分析ができるところまできました。
コロナ禍なので、全てが計画通りには行ってませんが4)運営管理に関しては以前より改善しています。
この項目以外にもこの診断書の提案を参考に改善を進めております。
<余談>
助成対象の③の中小企業活力向上プロジェクトネクストの「アシストコース」の支援を受けるという事は、経営診断を受け、事業計画書を製作するという事が前提なので、この補助金はこの中小企業活力向上プロジェクトネクストの活用が前提であると理解しました。
中小企業活力向上プロジェクトネクストは6つの中小企業を支援する団体が連携して行っている事業です。東京都中小企業振興公社 東京都中小企業団体中央会 東京都中小企業診断士協会・東京都商工会議所連合会・東京都商工会連合会 ・東京都産業労働局
② 販路拡大助成事業の補助金で出展しようと思う展示会の資料
国内、海外 出展する展示会を決める
申請書には展示会の出展概要の書類を添付する必要あります。
Webよりダウンロードするか、国内であれば出展案内を取り寄せる。
既に開催が終了し次回開催の詳細が出ていない展示会は、
終了した展示会の資料でも問題なかったです。
③ 販路拡大助成事業でのかける費用の算出をする
出展費用と、その資材費、搬送費の概算は一括りですので、この費用の概算を決めます。
後ほど、ギフトショーに出展し、費用がどれくらいかかったかも記載しますので、参考にしてください。
上記以外の費用、印刷、映像、WEB、広告費はこれで一括りとなりますが、
出展費用などにどれくらいかかるかでかけ方が変わってきます。
一括りとしているのは、この2種括りの中での費用移動は今回は20%以内ですと、変更申請をせずに金額変更ができました。
申請時に関しては、正確の数字が出ればベストですが、出展費等に関わる費用をメインとして概算でも問題なかったです。
補助される経費とその上限について細かな規制がりますので次の項で弊社採択時の制約を記載します
2-3 販路拡大事業助成事業の補助される経費について
出展小間料・資材費(内装費)輸送費、印刷物制作費・P R映像制作費・サイト制作費、広告費
①最初の注意事項として
出展小間料の支払いがない=展示会に出さない。という方には、助成はされません。
印刷物制作費、PR映像費、サイト制作費、広告費 単独での申請はできません。
② 出展小間料・資材費(内装費)・輸送費
この費用が一つの括りとなっていて、こちらにかかる費用が一番重要となります。
出展するブースの小間代、また装飾する費用、展示品や、パンフレット等の搬入費用です。
ここでの注意は、実際に出展ブースを施工をお願いする時に、素人ですとどの様な色のブースにしたら
良いかわからないので、建築系のデザイナーさんにお願いする場合があります。
デザイナーさんと施工する業者さんが同じ会社であれば問題ないのですが、、、
デザイナーさん、内装屋さんと、施工会社が違う場合はそれぞれに見積を取り、それぞれとの書類のやり取り
をする必要があります。通常ですと、全てデザイナーさんに任せたいのですが、この補助金はそれをやりますと
デザイナーさんの費用は出ても施工、内装の費用が否認される可能性がありますので要注意です。
一般的には出展に関わる事業を生業としている(HPに載せている) 会社に依頼するのが良いと思います。
その場合でも最終的な提出資料に、依頼した会社のHPを添付する必要があります。HPに業務の書いていない会社は
登記簿謄本の添付を求められます。
③印刷物制作費・P R映像制作費・サイト制作費、広告費
*印刷物制作費 印刷費とレイアウトの費用が対象、 写真撮影、画像修正等は対象外。
*PR映像制作費 映像の編集費用が対象 音源使用料は対象外
*サイト制作費 初めてサイトを作るか、全て新しくサイトを制作する人のみが対象。
*広告費 広告で回す費用のみ対象、広告用の画像制作等の費用は対象外。
それぞれの費用項目の上限があります。それも要注意ですが、年々、これらの販促費の費用に関しては厳しくなっているので
細かくチェックする必要があります。
2−4販路拡大助成事業の申請書類の記載時の注意点を2つお知らせします。
①費用を記載する欄には、少しの金額でも記入をしておりた方が良いです。
弊社の場合、サイト制作の予定がなかったのですが状況が変わり、サイト制作もする事になりました。その場合最初から記載されていて、金額が多くなったり、減ったりはそんなに問題ないのですが、 全く記載のない経費の費用を認めていただくのには書類での申請が必要となります。
②申請書の記載の中で、展示会等参加の記入する箇所には展示会名、会場、期間、主催者を記載します
プラス出展契約先という欄があり、単独or 共同or パビリオンどれかを選ぶようになっていました。弊社は
展示会名:ギフトショー、
会場東京:ビックサイト、
主催書:ビジネスガイド社
出展契約先:空欄 パビリオンにチェック
提出した後、中小企業振興公社より連絡があり、いくつか修正点の指摘とともにパビリオンでなく単独に変更しました。
これが後に大きな問題になりました。最終的には共同という型での取り扱いをされました。
この件の詳細はこの後のブログで記載していきます。
書類が整い、申請し、販路拡大助成金は採択されましたが、、、、
まさかのコロナの発生により予定通りには進まない状況となりました。
その中でどのように展示会を行ったかを次に記載していきます。
この記事は4回シリーズで、下記で関連記事に飛びます
第1回:公益財団法人 東京都中小企業振興公社をどのように利用している
第2回:東京都中小企業振興公社の販路拡大助成事業を申請してから採択まで
第3回:販路拡大助成事業を実施し事業報告書を提出するまでに噴出した問題
第4回:今回の販路拡大助成事業の助成金以外で採択を受けて利用した補助金
完結シリーズで、下記で関連記事に飛びます